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箱根 金時山

ちょっと都会を離れて、天下の秀峰に。

富士山の裾から裾までを山頂から見ることができ、金太郎伝説が眠る山としても知られる金時山。

都会の慌ただしい生活から距離を置き、世の中の人が心や体のケアをする時間を持ってもらうために、ハーブティーブランドを立ち上げようとしている松見さんと一緒に、紅葉も終わりかけの天下の秀峰を登った。

2017.12.26
kota

今回一緒に登った人たち

今回登るのはハーブティーのブランドを立ち上げ中の松見さん。彼女と一緒に天下の秀峰を巡る。

往路は、金時神社口の東側から登る、矢倉沢口ルート

金時山には複数のルートが存在し、金時神社口から登るルートが最も短いが、上りのほとんどが樹林帯で眺望が望めない。一方、矢倉沢口ルートは難所もなく、明神ヶ岳へ続く美しい稜線を見渡せる。初心者にはお勧めのルートだ。

スタート直後は、樹林帯を歩くことになる。

松見さんは変わった形の木や苔を見るたびに、足を止めて観察していた。ハーブに詳しい彼女が「野草もハーブにできる」と言っていたのは印象的だった。


樹林帯を抜け、分岐に到着。ここから金時山方面へ向かう。


少し開けた道を歩いていく。ふと足元に目をやると、リンドウの花が咲いていた。「リンドウかなぁ」と呟きながら観察する松見さん。

通りすがりのご高齢グループも、リンドウが咲いていることを楽しそうに語り合っていた。

“野花を見てすぐに名前を答えることができる若者”が、今どのくらいいるのだろうか。

おそらく、ほとんどいないだろう。ただ、花の名前は分からなくても、野に咲く小さな花は愛おしいと感じるはずだ。それは、生物の本能なのかもしれない。

しゃがみ込んでリンドウを写真に収める松見さんを見て、そんなことを考えた。

しばらくすると、金時神社から登るルートとの合流地点に到着。山頂まであと少しだ。この地点で踵を返してみると、美しい光景が広がっていた。明神ヶ岳へと続く、稜線だ。


周囲を見渡せば、芦ノ湖方面も綺麗に色づいている。

明神ヶ岳を背に、再び歩く。山頂まであともう少し。

平日にも関わらず、金時山の山頂は、大勢のハイカーで賑わっていた。


この山の人気の秘密。それは何といっても山頂から眺める富士山だろう。

富士山が見える山はたくさんあるが、金時山の富士は、遠すぎず近すぎず、絶妙な距離感で全容を見ることができる。

実は、山頂に着いたとき富士山は暑い雲に隠れていた。そこにいたほぼ全員が半ば諦めモードだったかもしれない。誰かが「あっ!」と声をあげる瞬間までは。

山頂にいた全ハイカーが富士山の方向へ顔を向ける。そこには、山頂を雪化粧であしらった富士山の姿があった。山頂は歓喜の渦に包まれた。

「山はドラマがあるね」と松見さんも呟く。

興奮冷めやらぬ中、金時山のもう一つの名物にありつく。それが、金時茶屋の巨大なめこ汁だ。


なめこ汁を食した後は、暖かいコーヒー。

下山は、金時神社へ降りるルートを選んだ。こちらはずっと樹林帯なので、紅葉を間近で見ることができる。


たくさんの人が触れるからか、表面が滑らかになっている根っこが印象的だった。人の手によってでき上がったこの表面も、自然の一つといえるのだろうか。

金時神社に降りて、無事下山。

山頂からの富士山、なめこ汁、紅葉色づく山、危険箇所も一つもなく、大満足の山行となった。

中高の行事や大学のゼミなどで、半ば強制的に八ヶ岳や妙見山に登ったことがあるという松見さん。

彼女にとって、登山はきついものというイメージが強かったらしい。

「登山ってこんなに楽しくできるものなんだね」

彼女が下山後にそう言ってくれたのがとても印象的だった。

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